「終わり良ければ全てヨシ」を極める〈後編②〉
最大のポイントは作業終了後の「解放の仕方」
ワンコがお手入れ行為などに対して「思ってたほど嫌な事じゃなかったかも」と気づかせるために、作業の内容と同等か、場合によっては作業の内容以上に重要なのが「終わり方・解放の仕方」。実は!ここが最大のポイントです。
作業はソフトタッチ&短時間で済ませる
「嫌がることだから、できるだけ最小限・短時間で終わらせよう」
飼い主様がそう思っている限り、この作業(お手入れ行為など)に慣れることは難しくなります。
結果毎回、嫌がるワンコに無理矢理やり続けることとなり、お互いに辛い時間となってしまいます。
嫌がる行為を受け入れて貰うためには、「できるだけ必要最小限」と言う考えはNG。
ただし、穏やかでいられたらできるだけ短時間で済ませることは重要です。
はじめは「まねごと」程度から
嫌がるワンコへの作業は、その行為を穏やかに受け入れるようになるまでは、できるだけソフトタッチ&短時間に留めます。
とーっても嫌がるコの場合には、できれば作業開始前の状態(体勢)だけを練習するところから始めましょう。
≪ソフトタッチの例≫
【目ヤニ取り】最初は目頭を軽く撫でるだけ
【足拭き】布で軽く撫でるだけ
【歯磨き】指で歯を数回撫でるだけ
≪作業開始前の体勢の例≫
【目ヤニ取り/歯磨き】軽くマズルを持ち褒めるだけ
【足拭き】脚を持ち上げ、手でゆっくり撫でるだけ
こんな程度から始めましょう。
必要に応じておこなおうとすると、どうしてもその作業をやりたくなってしまうのが心情。
ですので、「歯磨き練習は乳歯のうちから」「足拭き練習は散歩開始前から」「目ヤニ取りはキレイでも毎日やる」。ことで、焦らず落ち着いて取り組むことができます。まだその作業が不要な生後2~3ヶ月のうちから始めれば、生後4~5ヶ月までにはすっかり落ち着いて作業を受け入れるコになってくれていますよ。
慣れてきたら徐々に「ちゃんとしたお手入れ作業」を
まねごと程度の作業を穏やかに受け入れるようになってきたら、徐々にちゃんとしたお手入れ作業にしていきます。
ただしこの場合にも、だらだら長時間やるのはNGです。
特にワンコが穏やかに受け入れるようになってくると、1分で終わらせるつもりが、おとなしかったのでつい3分5分と欲張ってやってしまい、「いい加減やめてよー!」と、最後はワンコが暴れて終わらせる飼い主様が後を絶ちません。
が、ここが一番のNG行為!です。
終了時の解放にはじっくり時間をかける
前述のように、1分で終わらせるつもりがおとなしかったのでつい欲張ってしまい、結局最後はワンコが暴れてしまうと・・・・「あーゴメンゴメン、長くやっちゃってごめんね~」と、暴れる動きそのまま解放してしまう飼い主様。ごくごく一般的によく目にする光景ですが、実はこれが一番のNG行為です。
どんな理由があろうとも、暴れる・逃げるように立ち去る・「やめろ!」と口を当てる・・・・などの動きそのままに解放することは絶対にしないでください。
ここで解放すると、せっかく穏やかにやらせてくれた作業が、台無しになってしまいます。
「逃げの動き」で解放しない
たとえちょうど終わりのタイミングであったとしても、それを察知して逃げようと動きかけた時には、必ずマテで元の体勢をキープしてください。
マズルを持った手・脚を握った手をゆっくり緩めた時に、顔をそむける・脚を引っ込めようとした場合には、必ずマテでキープします。力づくで握り続けるのではなく、そむける・引っ込める動作のタイミングに合わせて、都度キュッとワンコの力に応じて握ると、
逃げようとしたら➔握る
逃げないときには➔ただ持っているだけ
であることを、早く理解させることができます。
脚やマズルだけを持ち負荷を強めないためにも、リードの着用を推奨します。リードが付いていれば、身体の動きを留められる分、脚やマズルへの負担が少なくなるはずです。
作業に手こずっているのにリードを使わない飼い主様が圧倒的に多いのですが、リード着用は必須と考えましょう。
「いつの間にか解放されていた」状態を目指す
手を緩めても、顔をそむけず・逃げようとしなければ、そのままゆーっくり手を離します。抱っこしている場合や仰向けの時には、床にゆっくり四つ足が着くまでは飼い主様のペースで。少しでも飛び降りるような動きがみられた時には、まだ解放しないでくださいね。
身体の重心を常に意識する
穏やかに見えても、重心がずれているときにはまだ完全に落ち着いている状態ではありません。
座っている時には、心臓の付近に重心があるように。
マズルを持つ時には、鼻先がしっかり前を向いているようにetc・・・・
このズレを修正せずにそのまま次の作業に進むと、なかなか落ち着きにくいので覚えておきましょう。
生後4~5ヶ月までにマスターしてしまいましょう
ここまで非常に細かいことをお伝えしてきましたので、ほとんどの方は文章の途中で離脱してしまっていることと思います。
と言うことは、今この文章を読んでいるあなたは「非常に根気強い方」あるいは「愛犬のために真剣に向き合おうとしているやる気のある方」だと思います。
そんなあなたにお伝えします。
ワンコのしつけはこれだけで十分
「こんなことやらなきゃいけないの?」そう思った方、安心してください。
ここをしっかりおこなっておけば、そもそも多くの問題行動が起こりにくくなります。
お座りや伏せ、お手などはいつでも教えられます。
まずは、やりたいときにやりたい作業をスムーズに受け入れるマインドを育てていきましょう。
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